暫定的差止めと特許出願:フランスにおける判断の分かれ目

公開された特許出願は仮保護を付与します。では、それだけで仮差止めを得ることができるのでしょうか。パリの仮処分裁判官は2022年にこれを肯定し、パリ控訴院は2023年に否定しました。この問いに対する答えは、権利者と競合他社双方の行動の時間的余地を左右するものであり、多くの場合、後発医薬品の発売時に問題となります。
仮処分裁判官の立場
パリ司法裁判所の2022年6月3日および2022年8月4日の二つの命令は、フィンゴリモドをめぐる訴訟において下されたものです。申立人は、フランスを指定国とする未付与の欧州特許出願に基づいて暫定措置を求めていました。仮処分裁判官は不受理の抗弁を退けました。フランス知的財産法典L.615-3条にいう「権原」(titre)とは侵害訴訟の基礎を指し、適法に公開された出願、または付与後の欧州特許のいずれかがこれに当たるとしたのです。
もっとも、二つの命令はいずれも、出願の外見上の有効性に疑いを生じさせる重大な抗弁があるとして、差止めを認めませんでした。つまり権利者は、申立ての資格を有しながら、措置を得ることはできなかったわけです。この区別はあまり注目されませんでしたが、本質を示しています。仮処分は原則として認められたものの、重大な抗弁の段階で退けられたのです。
パリ控訴院による途の閉鎖
パリ控訴院は逆の解決を採りました。2023年11月22日の判決により、同院は単なる特許出願に基づく暫定措置の申立てを不受理としました。同院によれば、フランス知的財産法典L.615-3条、L.613-1条およびL.615-4条を併せて読むと、二つの場面を区別すべきことになります。法律は、出願人に対し、本案において侵害を理由に訴える権利を認めています。ただし裁判所は付与まで判断を停止しなければなりません。これに対し、仮処分については何ら定めていません。L.611-2条は発明を保護する産業財産権の権原を列挙していますが、そこに出願は含まれていません。同じ立場は、フィンゴリモド事件において、2023年3月22日の判決ですでに示されていました。
真の争点:権利は出願から生じるのか、付与から生じるのか
文理上の論拠は堅固ですが、決定的ではありません。L.615-3条は、侵害訴訟を提起する資格を有するすべての者に措置の申立てを認めており、公開された出願の出願人はこの資格を有しています。L.615-4条の判断停止は本案手続のみに関わるものであり、仮処分を停止することはできません。したがって、出願をL.615-3条の適用範囲から除外することは、保護を遅らせるのではなく、競合他社が市場に参入する期間全体にわたって保護を奪うことになります。
反対の論拠にも耳を傾けるべきです。付与までは請求項の範囲がなお変わり得るうえ、異議申立ても無効訴訟もまだ提起できません。しかし、この不確実性は、2022年の二つの命令がそうしたように、重大な抗弁の評価において考慮すべきものであり、不受理の抗弁の問題ではありません。公開された出願に欧州特許条約第64条の保護を付与する同条約第67条も同じ方向を示しており、欧州特許庁(EPO)の実務もこれを妨げるものではありません。
後発医薬品企業と先発医薬品企業への影響
権利者にとって、付与前の期間は、もはや差止めによって確保するものではなく、準備によって備えるものとなります。すなわち、特許庁における手続の早期化、判断停止を前提とした本案の提訴、侵害証拠差押えによる証拠の確保、そして損害額の算定です。付与前に行われた行為は付与後に賠償の対象となり得るため、仮保護の価値は失われていません。
競合他社にとって、不受理は時間的な優位であって、免責ではありません。付与前に発売すれば差止めのリスクは回避できますが、賠償のリスクも、付与直後に差止めが命じられるリスクも残ります。後発医薬品はこの判断が問われる典型的な分野であり、数週間分の市場シェアが原則論よりも重くのしかかります。
統一特許裁判所(UPC)との対比
統一特許裁判所協定(UPCA)は異なる構造を採っています。同協定第3条(d)は、係属中の欧州特許出願をその適用範囲に含め、第32条第1項(f)は、公開された出願により付与される仮保護に基づく損害賠償または補償の訴えについて、裁判所に管轄を認めています。このように欧州の条約は公開された出願を防御可能な法的地位として扱っているのに対し、フランスの解釈はこれに暫定措置への途を閉ざしています。付与手続中のポートフォリオにとって、法廷地の選択は中立的なものではなく、この問題は後発医薬品の発売後ではなく発売前に検討すべきものです。
この分野の判決はPharma Litigation Watchで一件ずつ追跡しています。当事務所は、とりわけフランスにおける特許およびUPCのコレスポンデントとして、フランスの裁判所およびUPCにおいてこれらの訴訟を代理しています。お問い合わせはこちら。
本稿は、Matthieu DhenneがKluwer Patent Blogで発表した二つの分析、すなわち2022年6月28日のA preliminary injunction can be based on a patent applicationおよび2023年12月19日のFINGOLIMOD事件とHesitation Blues:フランス法上、特許出願に基づく仮差止めは認められるかを最新の情報に基づき改訂したものです。公式資料:パリ司法裁判所、2022年6月3日、RG n° 22/52718、パリ司法裁判所、2022年8月4日、RG n° 22/54655、パリ控訴院、2023年11月22日、PIBD 1218-III-1。