拡張管轄の主張:UPCへの訴状に盛り込むべき事項

UPC控訴裁判所が欧州特許の外国部分について判断することを認めて以来、原告に問われる問題は変わりました。現在の問題は、裁判所の管轄ではなく、訴状が維持可能な請求を含んでいるかどうかにあります。この二つは同じではなく、その違いには代償が伴います。
管轄を得ることは請求を有することではない
Kodak v. Fujifilm事件(控訴裁判所、2026年6月2日)は、このことを端的に示しています。管轄は認められましたが、侵害に基づく請求は棄却され、原告は第一審判決の執行について賠償を命じられました。管轄に関する部分には意を尽くしながら、それに続く四つの要素をおろそかにした訴状は、まさにこのような結果を招きます。
管轄の面では、要点はすでに安定しています。UPCの領域内に住所を有する被告はブリュッセルI改正規則第4条に服し、第三国に所在する被告は、第II章の管轄原因を参照する同規則第71b条第2項に服します。いわゆるロングアーム管轄には要件があり、その要件は再答弁書ではなく訴状そのものに記載されなければなりません。
誰が、どの領域で、何をしたか
各行為は、名指しされた特定の主体と特定された領域に結び付けられなければなりません。企業グループの構造は最も頻繁に見られる落とし穴です。上記の事件では、親会社に対しては子会社に対する支配のみが問題とされましたが、子会社自身が侵害していない場合には、それでは足りません。資本による支配は侵害行為ではないのです。
この帰属の証明は、訴状提出の前に準備しておくべきものです。控訴裁判所は、WEPA v. Essity事件(2026年9月3日)において、協定第60条に基づく証拠保全措置が販促資料にも及び得ることを認めました。販促資料は、流通経路の関係者を正確に特定するものだからです。
準拠法は訴状の段階から主張する
各指定国については、ローマII規則第8条第1項に従い、保護が求められている国の法が適用されます。ただし、準拠法を示すだけでは足りず、その内容を具体的に論じる必要があります。Kodak v. Fujifilm事件では、原告が、特定の主体が問題とされた行為の本質的事実を認識していたことを立証しなかったため、英国法における加担者の責任の要件は満たされませんでした。
起案上の帰結は明確です。外国法、その要件および例外は、証拠書類と典拠を添えて、訴状において提示しなければなりません。フランスやドイツの論理を外国の指定国にそのまま当てはめるだけの訴状は、不完全な訴状です。
指定国ごとの有効性審査の枠組み
2025年2月25日のBSH Hausgeräte v. Electrolux判決は、二重の制度を課しています。協定に加盟していないEU加盟国およびルガノ条約に拘束される国の指定については、侵害事件を係属する裁判所は有効性を審査することができず、国内の無効訴訟が係属していなければならず、判決はその帰結を条件とすることができます。英国を含むその他の指定については、有効性を当事者間で審査することができます。
さらに控訴裁判所は、Dyson v. Dreame事件(2026年3月6日)において、第三国に所在する被告に対する暫定措置の範囲について、欧州連合司法裁判所に付託しました。その回答が示されるまでは、訴状はいずれの仮定にも耐えるものでなければなりません。
請求は領域ごとに構成する
協定第34条は判決の範囲を定めており、求める差止めはそれに応じて切り分けなければなりません。ある指定国についてはこの禁止を、別の指定国についてはこの回収措置を求め、ロイヤルティおよび損害賠償はそれぞれに適用される法に従って算定します。拡張された管轄がもたらすてこの効果は、各領域における責任の立証を免除するものではありません。
ここから導かれる起案の順序は、直感に反するものです。まず関係者と領域を特定し、次に準拠法とその内容、続いて各指定国の有効性審査の枠組み、さらに請求を定め、管轄に関する部分は最後に書きます。各被告と各指定国をこれら五つの要素と照合する事前の一覧表を作れば、提出前に断念すべき組み合わせが一頁で明らかになります。
ここで引用した判断は当事務所のUPC Litigation Watchで一件ずつ追跡しており、部ごとの結果は統一特許裁判所(UPC)の統計で確認できます。当事務所は、統一特許裁判所においてもフランスの裁判所においても、これらの書面を起案し弁論を行っており、特にフランスにおける特許およびUPCの現地代理人としても活動しています。お問い合わせはこちら。
本記事は、Matthieu Dhenneが2026年9月29日にKluwer Patent Blogで発表した分析「Pleading the Long Arm: What a UPC Statement of Claim Must Carry Beyond Jurisdiction」を、最新の情報に基づいて翻案したものです。公式資料:欧州連合司法裁判所(CJEU)、2025年2月25日、BSH Hausgeräte v. Electrolux、C-339/22。統一特許裁判所協定(UPCA)、EU官報C 175(2013年6月20日)。