28 1月 2021

寄稿:フランス製ワクチンという喫緊の課題

Tribune I Les vaccins made in France, une urgence absolue



Les Échos紙への寄稿で、「Covid-19」ワクチン関連特許について職権による実施権(licence d’office)の制度を発動する必要性を論じました。

公衆衛生の利益のための特許の職権実施権

特許の職権実施権は、国が権利者の同意なく第三者に保護された発明の実施を許可することを可能にする制度です。フランス知的財産法典L.613-16条は、公衆衛生の分野において、その利用を医薬品、医療機器、保健製品またはこれらの取得に必要な方法に関する特許に限定しています。この措置は、公衆衛生担当大臣の請求に基づき、産業財産担当大臣が発する省令(arrêté)の形式をとります。同条は、措置の発動事由として、とりわけ公衆に対する供給の量または質が不十分である場合、価格が異常に高い場合、または反競争的行為が認定された場合を列挙しています。

同法典L.613-17条はその効果を定めています。すなわち、実施権は非独占的なものであり、権利者に対する請求の時点から効力を生じ、当事者間で合意に至らない場合にはロイヤルティは司法裁判所が定めます。特許権はこの措置の後も存続し、権利者はその条件を争う権利を保持します。省令は受益者を指定し、許可される実施の範囲を画定するため、この措置は対象を絞ったものにとどまり、決して特許権の全面的な停止を意味するものではありません。

職権実施権によって移転されない権利

この制度が作用するのは排他権に対してです。製造ノウハウ、菌株や細胞株、ロット出荷のための分析方法、さらには別途保護されている販売承認(AMM)申請書類のデータには及びません。したがって、職権実施権を得た事業者は、製造方法全体を独力で再構築しなければなりません。登録申請書類のデータの保護は、特許とは独立した固有の制度に服しており、第三者が所定の期間の満了前に最初の申請者の試験データに依拠することを禁じています。

合成化学品であれば、これは実行可能です。しかし生物学的製剤の場合には、数か月に及ぶ開発、製造方法のバリデーションおよび製造施設の査察が必要となります。法的な手段は存在するものの、その実施はあらかじめ備わった産業上の能力に左右されます。そのため国は、製造能力を有する事業者を事前に特定しておく必要があり、議論の焦点は法規範から産業政策へと移ることになります。

関連項目

Auteur : Dhenne Avocats.