グルノーブル美術館における講演:公共政策の観点から見た職権実施権
マチュー・デンヌは、2023年12月12日、グルノーブル大学の知的財産教育研究大学センター(CUERPI)の招きにより、グルノーブル美術館において「公共政策の観点から見た職権実施権(licences d’office)」をテーマに講演を行いました(リンク)。
公共政策の手段としての職権実施権
職権実施権は、その行政上の根拠によって、他の強制的なライセンスと区別されます。公衆衛生の分野では、フランス知的財産法典L.613-16条が、医薬品、医療機器、健康製品またはその取得に必要な方法に係る特許について、公衆衛生担当大臣からの申出を受けた産業財産担当大臣に決定を委ねています。同法典は、このほか、国防の利益のための職権実施権を、別個の制度として定めています。決定は省令(arrêté)の形式をとり、受益者を指定するとともに、許諾される実施の範囲と期間を画定します。
条文は、この措置を一定の状況の存在に係らしめています。すなわち、公衆への供給が数量または品質の点で不十分であること、価格が異常に高いこと、または競争法に反する慣行が認定されたことです。同法典L.613-17条はその効果を定めており、非独占的ライセンスを課すとともに、合意が成立しない場合にはロイヤルティの決定を司法裁判所に委ねています。これらの要件は、十分な裏付けのある事前の認定を前提としており、その認定は多くの場合、市場データや競争当局の決定に基づいて構築されるため、手続は見かけ以上に長期化します。
実施の要件
省令は行政行為であるため、行政裁判所への不服申立ての対象となり、これが政治的決定に訴訟上の不確実性を加えます。国際的には、TRIPS協定(accord sur les ADPIC)第31条が、適切な報酬と決定に対する司法審査を求めることにより、この種の使用を規律しています。ライセンスは権利者に対する申入れの日から効力を生じ、ロイヤルティについては司法裁判所が管轄を保持するため、二つの裁判系統の間で異例の役割分担が生じます。
職権実施権が稀にしか用いられない理由を説明する要件が、なお残っています。すなわち、生産能力を有する特定の事業者が存在しなければなりません。特許は発明を開示しますが、検証済みの製造方法、品質管理の手法、規制当局向けの申請資料までは開示しません。こうした産業上の担い手がなければ、この措置は供給に何の効果も及ぼしません。それでもなお、この手段は交渉において抑止力としての価値を保っており、その行使の可能性があるというだけで、数量や価格に関する権利者の立場を変化させるのに十分な場合があります。
関連項目
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