知的財産における調停

調停は、当事者双方が自由に受け入れる友好的な解決に到達できるよう支援する手続です。調停を利用すれば、長期化し費用もかさみがちな司法手続や行政手続を経ることなく、知的財産に関する紛争を解決することができます。知的財産分野の調停は、技術的な問題と金銭的な問題が絡み合うことの多い特許紛争に、とりわけ適しています。
調停の特徴
調停は当事者の合意に基づく手続であり、当事者はいつでもこれを終了させることができます。公開の訴訟とは異なり、協議の内容とその結果として成立する合意は秘密に保たれます。調停人は中立であり、何らの判断も下しません。調停人は対話を促し、各当事者が自らの利益を見極められるよう助ける役割を担います。さらに、手続の枠組みと進め方は当事者自身が定めます。
知的財産分野の調停と特許
特許権者と侵害を主張された第三者は、調停を利用して解決策を交渉することができます。それは特許ライセンス契約の締結である場合もあれば、争われている製品または方法の変更である場合もあります。特許の有効性を協議の対象とすることはできますが、その無効を宣言できるのは裁判所のみです。
FRANDライセンス(Fair, Reasonable and Non-Discriminatory)の条件をめぐる紛争も、調停に適しています。調停を通じて、当事者は公正なロイヤルティと許諾される権利の範囲について合意に至ることができます。
紛争が複数の国に及ぶ場合、たとえば欧州特許や世界各国で出願された特許ファミリーをめぐる紛争では、調停は包括的かつ迅速な解決をもたらし、法域ごとに訴訟が分断される事態を回避できます。
調停の利点
調停は費用と期間を抑えます。また、商取引上の関係を維持できる点は、とりわけ取引先同士の間で重要です。調停の秘密性は、特許紛争において開示を迫られることの多い技術情報や財務情報を保護します。さらに、その柔軟性により、紛争の商業的、技術的、財務的な側面を一つの協議の中で扱うことができます。
調停機関
世界知的所有権機関(WIPO)仲裁調停センターは、特許紛争を含む数多くの知的財産紛争を管理しています。欧州仲裁調停センター(CEAM)も、知的財産を専門とする調停人を提供しています。加えて、統一特許裁判所協定(UPCA)は特許調停仲裁センターを設置しており、その所在地はリュブリャナとリスボンです。